みなさんこんにちは、駐妻のめいです。
アメリカに来て、図書館に足を運んでいるうちに気づいたことがあります。

今回はアメリカ人の読み聞かせにクローズアップしてみます。
何のための読み聞かせ?
あなたは何のためにお子さんに読み聞かせをしていますか?
筆者の場合、読み聞かせはベッドタイムの大事な親子のコミュニケーションの一つです。
毎日意識して読み聞かせをし、図書館にもよく足を運んだつもりです。
特に何も考えずに読み聞かせ、子供は黙ってじっと聞く、というスタイルでした。
しかし!アメリカ人の読み聞かせ方法は全く違いました。
図書館でアメリカ人親子のやり取りを見ていると、子どもは全くじっと聞いていません。
子供はあれこれツッコミを入れて、話が全く先に進まないのです。
また親も、読み聞かせの途中で頻繁に読むのを中断し、常に子供に質問を投げかけています。

低年齢の子であれば、これは何?何色?どんな形?どんな感じ?などといった質問で語彙を増やしていきます。
年齢が上がってくると、どう思う?どうして?などといった、より複雑な答えを求める質問を子供に投げかけています。
調べてみると、これはダイアロジックリーディングという方法で、議論しながら読み聞かせを進める方法です。
絵本を通して語彙の習得はもちろん、伝える力を磨く読み聞かせを意識しているのだそうです。
アメリカにおいてプレゼンテーション能力(伝える力)は必要不可欠、その訓練は幼児期から始まっているといえます。
ダイアロジックリーディングについて詳しく知りたい方はこちらの書籍がおすすめです。
どのように子供に質問すればよいかも詳しく書かれています。
伝える力は読み聞かせで身に付く
日本の子供は集中して聞く力が9割、アメリカの子供は聞く力と考える力が5割ずつだといいます。
アメリカの子供は絵本を読みながら、どうしてだろう、なぜだろう、自分の意見はこうだ、ということを同時に考えられるようになっていきます。
一方で日本の子供はどうでしょうか?
読み聞かせはほとんど親の一方通行ですので、聞く力が圧倒的に伸びます。
日本の子供たちは聞くときは集中して聞くことができますが、意見を求められるとなかなかうまく答えることができません。
例を出すと、読書感想文を書くことが苦手な子供はとても多いと思います。
日本の教育では、聴いたことや読んだことに対して、自分がどう思うのか考え、それを伝える機会がないために、いざ感想を書こうと思ってもなかなか書けないのです。
日本の学校生活においては、聴く力の方が圧倒的に有利な場面が多いことも問題の一つです。
おとなしく授業を聞ける子は良い生徒とされますし、先生も授業が進めやすくなります。
頻繁にツッコミを入れるような生徒がいると授業が妨害され、悪い生徒とみなされてしまうのが現状ではないでしょうか?
協調性を重視する日本社会では突拍子もない飛びぬけたアイデアや意見は嫌われ、無難な意見しか受け入れられない傾向があります。
先生が時間内に授業を進めるためにも、日本の小学校では生徒の発言に時間をかけることはほとんどないのです。
授業態度(発言)が評価にプラスされる
アメリカでは成績をつける際に、授業に積極的に参加しているかどうかを評価されることがあります。
具体的には発言しているかどうかを見られています。
授業は先生に習う場であることはもちろんですが、それよりも大事なのは習ったことからさらに新しく考えること、そして伝える力を磨くことです。
昔と違って、授業の内容などその気になれば本やインターネットでいくらでも勉強できます。
そのため、先生の話をじっと聞くという授業スタイルは時代に合わなくなってきていると感じます。
日本でも記述式の問題が受験問題に出される傾向が強くなってきていますから、知識の暗記では通用しなくなっていくことが目に見えて明らかです。
ぜひともアメリカに習ってダイアロジックリーディングをおすすめしたいです。
上に紹介した本の中にダイアロジックリーディングにおすすめの絵本がいくつか掲載されていましたのでピックアップしておきます。
一時帰国の際や渡航前に購入しておくと良いかと思います。
ハートフルで考えさせられる本や、質問がしやすく、子供の意見を引き出しやすい本がピックアップされています。
音読にもダイアロジックリーディングをおすすめ
日本の小学校の宿題といえば国語の教科書の音読が出ることが多いと思います。
この音読、やり方を間違えると国語力の低下につながるかもしれないので注意が必要です。
筆者の経験で恐縮ですが、音読が国語習得の弊害になっている例を一つ紹介させてください。
筆者の息子が国語の問題でどうしてもわからないところがあるというので、まず問題を声に出して読んでみなさい、といったことがあります。
息子は淡々と問題文を読みますが、ぽかんとしている様子…
問題の意味が頭に入っていきません。これは一体なぜか…
実際、音読の宿題で親がチェックする項目は、声の速さ、正しい読み、イントネーションなどですよね。
そのために、息子は声に出して音読すること=正しく発音する(頭に何も入っていない)という癖がついていたのです。
教科書の内容にもかかわらず、質問をしてみると、息子は「…?」

息子のようにならないためにも音読の宿題をする際には、ダイアロジックリーディングを取り入れることを強くおすすめします!!

読み聞かせは中学生になっても
筆者は読み聞かせといえば幼児までと勝手に思っていたのですが、教育に力の入れている国ほど子供が大きくなっても読み聞かせを続けているそうです。
子供が大きくなると絵本ではなく活字しかなくなっていくので読み聞かせは大変になっていきますよね。
それでも毎日10分、最低でも5分と続けていくと毎日の積み重ねで言語能力は必ず上がります。
国語(伝える力)が身に付けば、外国語の習得の際にもメリットしかないですからぜひとも続けたいですね。
ネイティブがしている読書の工夫
現地校に通っていると、長期休暇前などに良く宿題として出されるのがリーディングビンゴ。
百聞は一見に如かず、下の画像を見てみてください。
- 両親に5つ詩を読んであげる
- 図書館の本を読む
- 家族の誰かに本を読んであげる
- グラフィックノベル又はコミックを読む
- 続けて30分読む
など、お題がありビンゴのマスをクリアしながら読書を楽しむという方法です。
ぬいぐるみや飼い犬に読んであげるというのも、とても一般的な宿題です。
ぜひリーディングビンゴをご家庭で取り入れてみてくださいね。
おわりに
アメリカ人と日本人の読み聞かせの違いに衝撃を受け、この記事を書くに至った本はこちらです。
Kindke版もありますので興味のある方は是非読んでみてくださいね。